テレビ50年の2003年は、総務省(旧郵政省)、NHKを中心に、テレビの歴史と将来について、様々なキャンペーンが行われた。デジタル時代を前に、衛星デジタル・ハイビジョンの実績と地上波デジタルテレビジョンの計画が中心である。同年末、東京、大阪、名古屋の三大都市圏で、地上波デジタル放送が開始され、2006年までには全国でデジタル放送が始まり、2011年には現在のアナログ方式のテレビ放送が廃止となる。衛星に加えて地上もデジタル化することでテレビのバラ色の新時代が語られている。高画質、高音質、多チャンネル、多機能、双方向……などなど。デジタル化は、世界的に、電波、電気通信、情報処理の基本技術にかかわることで日本も避けては通れない。しかし、夢のような話には、問題が多い。アナログからデジタルへの全面転換には、NHK、民放全局、特にローカル局への巨額の負担のほか、視聴者の出費、一億台ともいわれる受像機が短期間に買い換えられるかが問題だ。特にデジタル化と同時にハイビジョンの一般化が計画されていることが困難を大きくしている。白黒からカラーへ、ハイビジョンへとこれまでの成功神話の延長上にうまく進めばよいが、時代は変化している。高度成長経済はバブル崩壊で終わった。政治や社会も変革が声高に叫ばれる時代だ。何より、冷戦の終了、9・11以後の国際政治の激動はすさまじく、その底流には、グローバリゼーションという国際社会、国際経済の大変動がある。デザインで名のある東北芸術工科大学の講師を務める小山薫堂氏。生徒たちに、「企画とは豊富な情報力のなかからヒントが生まれる」と説く。その言葉を自社のオレンジ・アンド・パートナーズで実践している。