子どもは嫌なことはやらなくてもいい、ということにはならない。それは、つい最近の考え方だ。昔は、子どもは嫌なことでもやらされていた。ところが、最近は子どもが嫌がることはさせない、それが子どもの人権だ、というようなことが言われる。しかし、子どもの人権というのは、虐待されないための人権、自分で自分の人生を守れる最低限の能力を身につけるための人権であって、嫌なことをしないための人権ではないのである。子どもが大人になってから自分で仕事ができ、人生を幸福に送れるように育て上げるのが人権だ。義務教育の「義務」というのは、教育を受けないで勝手に放置されている子どもを守るために、教育を受けさせなさいという「義務」なのだ。子どもには、教育を受けさせてもらえる権利がある。子どもに教育を断る権利などはない。親にきちんと育ててもらう権利があるのであって、ご飯を断る権利がないのと同じだ。子どもがご飯を食べたくないと言ったから放置したとなると虐待になるだろう。勉強をさせないでよしとするのも、広い意味での虐待なのだ。親は、常に子どもの本当の権利とは何かを考え、子どもの権利を守るために闘っていかなければならないのだ。食べなければ死ぬ子どもがいれば、無理やり食べさせるのが親の愛情である。