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補色の光を混合すれば白色に

日亜化学は、社長の小川英治がしばしば突然に社内の現場を見まわりにくるほどの小さな規模の会社である。1993年になってよく光る青色発光ダイオードができたという情報は社内ではすぐに伝わってきた。それなら、分散型ELよりは、青色発光ダイオードの青色の光を黄色の色フィルターに通して白色光のバックライトをつくったほうがよい、というアイディアが、生まれた。青色と黄色は補色の関係にあり、補色の光を混合すれば白色になる。すべての色が混ざって白い光になると言ったニュートンを、ホイヘンスは青と黄でも白い光になるのではないかとニュートンをやりこめた、17世紀の話を思い出していただこう。従業員の一人ひとりがすぐにこの補色関係に気がつく風土は、日亜化学が色と光の企業として育ってきたあかしであろう。市場ニしスは白色バックライトであって、分散型ELではないのだ。なにも分散型ELにこだわる必要はない。しかしよくよく考えると、白色発光ダイオードができれば、そのような面倒なことをしなくてもよい。それなら、青色の光で励起され、黄色に発光する蛍光体を探したほうがよい。赤と緑と青の三つの発光ダイオードを使って白色を実現するのではなく、たった1個の青色発光ダイオードがあれば、蛍光体からの黄色の光と青色発光ダイオードからの青色の光を混ぜ合わせて、白色発光ダイオードが実現できる。