大多数の印刷会社が顧みなかったのも当然なのだが、その中で早くから電算というものにとりくんできた会社こそが、次の時代を切り拓き飛躍していった(過剰設備投資の果て、疲弊した会社も少なくないが)。オンデマンド印刷でも同じことが考えられている。今後の発展を占う上で重要なヒントがある。『遊歩人』の五千部という部数だ。実は、『遊歩人』はオンデマンド印刷の代名詞でもあったゼロックスの〈ドキュテック〉を使っていない。サクラカラーで有名なコニカの製品で作られている。オフセットに比べれば見おとりはするが、実用には充分である。日本のメーカーが進出をはじめた以上、オンデマンド機の市場は、価格的な面からまず活性化していくことだろう。五千部はオンデマンドの宣伝のためであり現実的なものでないにしても、千部程度までは間もなく、対コスト効果でオフセットを凌いでいくだろう。そうなったとき出版の手段として、オンデマンド印刷は飛躍的に大きな意味をもつようになると思われる。
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